JSTO(一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会)は9月3日、GINZA SIX内の観世能楽堂にて設立5周年記念イベントを開催した。イベントには菅義偉内閣官房長官をはじめ、JSTO会長の田川博己氏らインバウンド業界を牽引するキーパーソンが登壇し、トークセッションを行った。
イベント概要
日程 | 9/3(月)13:30~15:45 |
場所 | 観世能楽堂(東京・銀座 GINZASIX地下3階) |
内容 | 主催者挨拶 JSTO五年のあゆみと今後の方向性 来賓挨拶 トークセッション「世界一のショッピングデスティネーションを目指して」 |
登壇者 | 菅義 偉(内閣官房長官) 赤松 憲(日本百貨店協会会長、株式会社三越伊勢丹ホールディングス代表取締役会長) 高野 稔彦(日本SC協会 国際委員会委員長、住商アーバン開発株式会社代表取締役社長) 加戸 慎太郎(全国商店街振興組合連合会青年部長、銀天街商店街振興組合理事長) 松山 良一(前日本政府観光局(JNTO)理事長) 二宮 秀生(日本航空株式会社常務執行役員) 田川 博已(JSTO会長、株式会社JTB代表取締役会長) 新津 研一(JSTO事務局長、株式会社USPジャパン代表取締役会長) |
詳細 | https://jsto.or.jp/for-stores/info-180903/ |
インバウンドを取り巻く環境とJSTOの取り組み
いまでこそ訪日観光客による購買はこれから日本の経済を支えるものとして広く認知されているが、JSTOの設立された2013年にはまだインバウンドという言葉も一般的でなかった。2012年における訪日観光客数は800万人ほどであり、インバウンド消費も約1兆円程度にとどまっている。しかし5年後の2017年には訪日観光客は2680万人まで増え、市場規模も4兆4000億円まで拡大。2019年のラグビーW杯、2020年の東京五輪も考えるとインバウンド消費は今後ますます増加すると予測される。
JSTOは設立当初から観光立国日本を目指し「JAPAN SHOPPING FESTIVAL」の開催など、ショッピングを通じて日本の文化や歴史、魅力を海外に伝えるための多くの取り組みを行ってきた。最近では地方の小売店を対象にノウハウやITツールを提供して、外国人受け入れ環境整備を支援するなど、地域活性化にも力を入れている。設立5周年を機にJSTOは「日本を世界一のショッピングデスティネーションにする」というビジョンを掲げ、2030年に向けて今後取り組むべき重点的な施策を決定した。主な内容は以下の3点になる。
- 日本の魅力を伝えるショッピングエクスペリエンスの開発と提供
- 訪日ゲスト、グローバルショッパーとの接点強化
- ショッピングフェスティバルと対応ノウハウを活用した地域活性化パッケージの提供
これらの施策は2030年におけるインバウンド消費9兆円の実現を目標に行われる。
菅義偉内閣官房長官が登壇
イベントには阿部政権の中枢を担う菅義偉内閣官房長官も登壇した。外国人消費は地方創生の切り札であり国をあげてインバウンド促進に取り組んできたこと、そしてこれからの展望についても語られた。安倍政権はこれまでもVISAの緩和、地方特産品の免税対象化、国際観光旅客税の創設などを実施してきたが、2020年の年間4000万人、2030年には年間6000万人の観光客誘致を目指しさらに政策を進めていく予定だ。
豪華スピーカーによるトークセッションも実施
イベント内ではJSTO会長の田川博己会氏、JSTO事務局長の新津研一氏進行のもと、株式会社三越伊勢丹ホールディングス代表取締役の赤松憲氏、前日本政府観光局理事長の松山良一氏、日本航空株式会社常務執行役員の二宮秀生氏、日本ショッピングセンター協会理事の高野稔彦氏、全国商店街振興組合連合会青年部部長の加戸慎太郎氏の5名が登壇してのトークセッションも行われた。
トークセッションのタイトルは「世界一のショッピングデスティネーションを目指して」であり、主な議題は「ショッピングツーリズムの価値」と「日本が世界一のショッピングデスティネーションになるには?」の2つ。それぞれの視点から多面的な意見が飛び交い、これからの日本のインバウンドが抱える課題、その解決策を考えるための良い機会となった。
おわりに
人口減少期を迎え経済成長の停滞する日本にとって、インバウンド対応は業界を問わず重要性を増すだろう。JSTOは小売業をはじめ外国人観光客を迎える事業者を”おもてなし事業者”と位置づけ、様々なサポートを展開している。インバウンド事業の強化を考える店舗や企業は、ぜひチェックしていただきたい。
<写真提供>
JSTO(一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会)