14年旅行収支は1251億円の過去最少赤字
- 2015/2/9
- ニュース
財務省は2月9日、2014年の国際収支状況(速報)の概要を発表致しました。
以下の表は財務省HPからの スナップショットです。
※スマホからは画面を横にすると見やすいです。
この表の中でインバウンドが関連してくるのは、「サービス収支」の項目です。
今後もこういった数字を追いかけていくことがあると思うので、少し国際収支について整理をしておきましょう。
国際収支とは?
国際間の経済取引を表す。車などの物の売買、飛行機やツアー代などのサービスの売買、株や債券取引等に係る金融や資本の売買などといった「国境をまたぐ」取引状況をあらわしたもの。
つまり、何かをどこかの国から買ったり、どこかの国へ売った際にお金が移動しますが、それらをトータルで計算した時に、日本にとって黒字(日本に入ってきたお金の方が大きい)か、赤字か(日本から出て行ったお金の方が大きい)、といった視点でまとめた数字、ということですね。
財務省のホームページに用語解説がありますのでよろしれればご覧ください。 → こちらです
さて、先程お伝えした通り、この国際収支の中でインバウンド関連の数字として注目されるのが、サービス収支です。
先程の表では、3兆932億円の赤字となっております。
更に、この表には記載がありませんが、このサービス収支を分解すると、以下の4つに大まかにわけられます。
輸送:貨物や旅客の運賃など
旅行:旅行時の宿泊費や飲食費など
金融:株等の売買手数料など
知的財産権等使用料:特許権や著作権使用料など
この中でインナビが注目するのは言うまでもなく、「旅行」の項目ですね。
サービス収支内の旅行収支の数字は、2014年は1251億円の赤字でした。
この言葉を言い換えると以下の様になります。
「2014年、年間で海外向け日本人旅行者が支払った金額(宿や飲食など)は、訪日外国人観光客が支払った金額よりも1251億円多かった」
つまり、アウトバウンド消費額がインバウンド消費額よりも1251億円多かった、ということですね。
この数字はなんと過去最少の赤字幅、なんです!
ちなみに、2013年は6545億円の赤字だったので、2014年は実に5000億円以上赤字幅を縮小したことになります。
訪日観光客「数」に関するヘッドラインが先月は飛び回っておりましたが、「消費額」でも実際に過去最少赤字幅を達成できたことで、インバウンドの盛り上がりが裏付けされたかたちとなりました。
勿論、旅行収支はアウトバウンドの数値とのセットで計算される指標なので、単純にインバウンドの状況を判断することはできませんが、今後も注目していくべき指標です。
2015年はアウトバンド数とインバウンド数が逆転するかもしれない、と各専門家の方が仰っておりますが、旅行収支においても同様の逆転現象が起きるかもしれませんね。
観光業の発展にはアウトバウンドとインバウンドの双方向での発展が欠かせません。
海外の観光地も日本人を含む旅行者をひきつける為にあらゆる施策をうってきております。
日本の観光地も海外勢に負けないように、切磋琢磨し、発展していければ素晴らしいですね。