2015年の訪日外国人旅行消費額は3兆4771億円!インバウンド消費統計と推移

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2015年の訪日外国人旅行消費額が観光庁より発表されました。国毎、項目毎の消費額分析は今後の個別記事で触れることとし、当記事では全体的なハイライトをみていきます。※日本政府観光局(JNTO)より発表された訪日外国人観光客「数」については以下をご覧ください。

訪日外国人旅行消費額

訪日外国人旅行消費額は昨年の2兆278億円から71.5%増加の3兆4771億円となりました。旅行消費額が3兆円を超えてくるとの予測は多かったですが、3兆円台の半ばまでくるというのは予想外な方も多いのではないでしょうか。尚、別途記事にしておりますとおり、2015年の訪日外国人旅行者数は1,973万7千人となっております。

2015summary

観光庁 「訪日外国人消費動向調査」

国別訪日外国人旅行消費額

国別の外交人観光客消費額をみますと中国がダントツの1位で総額1兆円を超えました。実に全体の約4割を占めます。二番手の台湾も消費額総額5,000億円を超えており、市場の急激な拡大が確認できます。

順位 国・地域 総額 前年比
1 中国 1兆4,174億円 +153.9%
2 台湾 5,207億円 +46.9%
3 韓国 3,008億円 +43.9%
4 香港 2,627億円 +91.8%
5 米国 1,814億円 +23.0%

旅行諸費額の前年対比の伸び率を見ますと、中国の前年比153.9%増が最も目を惹きますが、香港も約9割増ということで前年比で倍に近い規模となっております。

一人当たり旅行支出額

一人当たり旅行支出額は前年比16.5%増の17万6,168円に増加しました。これは一人当たり消費額が大きい中国からの旅行者数が激増し、全体に占める割合が増加したことが主因と考えられます。

観光庁 「訪日外国人消費動向調査」

観光庁 「訪日外国人消費動向調査」

国別一人当たり旅行支出額

次に国別の一人当たり旅行支出額をみてみます。先日インバウンドナビでは2014年の消費実績と2016年の旅行予算をもとにした記事を書いておりますので、そちらもよろしければご覧ください。

2015年の国別一人当たり旅行支出額は以下の通りです。

  国・地域 一人当たり旅行支出 前年比
1 中国 283,842円 +22.5%
2 オーストラリア 231,346円 +1.5%
3 スペイン 227,287円 ±0
4 イギリス 210,682円 +12.5%
5 イタリア 202,078円 ±0

こちらも中国が頭ひとつ抜けていますが、2位以下はオーストラリアを含む欧米圏となっております。2位以下の支出額金額はそれ程大差がありませんが、前年比の伸び率で見ますと圏外のシンガポール(+20.3%)やフィリピン(+20.2%)が目を惹き、伸び率ではほぼ中国に並んでおります。今後も注視していきたい国々です。

費目別訪日外国人旅行消費額

最後に、何にお金を使ったかという視点でみてみます。全体的な費目別消費額でみますと、前年比で買物代の構成比が増しております。旅行消費額が1兆4000億円を超えてきた中国がこの項目を引っ張っているという現状です。

観光庁 「訪日外国人消費動向調査」

構成比で見ますと、宿泊費、交通費が圧縮される一方、買物代消費額が大きく増加しております。特に圧縮されているのは宿泊代消費額ですが、ここには色々な要因があり、例えば比較的低コストな地方宿泊施設への流入が増えてきたという見方や、民泊を含めた宿泊施設の多様化による低コスト化が進行しているという見方もできます。勿論、宿泊代そのものの変化以上に買物代金の消費額が圧倒的に伸びた、という要因もあります。今後、別途個別記事にて触れてみたいと思います。

まとめ

訪日外国人旅行者数の増加に加えて、一人当たり旅行消費額の増加も確認することができた2015年のインバウンド市場。まさに市場の急拡大は続いているといった結果です。しかしながら、2015年の10-12月期は結果として旅行消費額が前四半期対比では落ち込んでおります(対前年四半期比では増加)。飛躍的な伸びになった4-6月・7-9月期の反動という見方や、2013年と同様に季節要因といった見方をすることもできますが、足元の経済環境の不透明さが影響しているという考え方もできます。急成長するどのような市場も、いつかは成長が穏やかになります。その時に備えて、常日頃から統計データを元としたマーケティングを実施することは重要です。2016年はまさにしっかりとしたマーケティングが必要になってくる1年になるかもしれません。

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