2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて多方面での準備が進む中、道路標識においても、訪日外国人旅行者の利便性向上も視野に入れた表記方法の改善が進んでいる。今回は国土交通省が9月2日に発表した資料『2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた道路標識の改善を推進します・第2報』を元に具体的な改善点を見てみよう。
東京に続き、千葉県、埼玉県、神奈川県においても取り組み方針を作成
東京都内の道路標識改善については2016年の1月29日に記者発表がされていたが、今回の第2報においては千葉県、埼玉県、神奈川県の3県における取組方針がまとめられている。特にこれら3県の、競技施設地域、観光施設地域などが重点的に対応が行われるエリアとなっている。主な地域は以下の通り。
3県 | 重点地域 |
千葉県 | 成田地域、浦安地域 |
埼玉県 | 川越地域、熊谷地域 |
神奈川県 | 横浜みなとみらい地域、鎌倉地域、箱根・湯河原地域 |
具体的な改善ポイント
今回、道路標識適正化委員会が推進する道路標識の改善については主に以下の5つのポイントがあげられる。
主なポイント |
英語表記の改善 |
ピクトグラムの活用 |
通称名の活用 |
歩行者系サインの充実 |
表記の統一 |
それぞれについて詳しく見てみよう。
英語表記の改善
まずは「日本語のローマ字表記」から「英語表記」への変更点がある。以下の例のように、「Miyuki Koen」ではなく「Miyuki Park」と表記する、ということだ。
勿論、駅名などはローマ字表記のものが好ましいが、道路標識においては英語表記の方が望ましいケースが多そうである。この改善点は訪日外国人の方々にとっては交通サインを理解する上で非常に有意義な変更になるのではないだろうか。
ピクトグラムの活用
続いてピクトグラムの活用がある。ピクトグラムとは情報や注意を示すためのサインの一つで、絵文字や絵単語などとも呼ばれる。英語が苦手な訪日外国人旅行者の方や、日本人も含めて運転中のドライバーにとってはありがたい変更点になりそうだ。瞬時に図解によって理解できれば運転から注意がそれすぎることも無いかもしれない。また、子供達にとっても理解しやすい表記である。これは今回の2020年に向けた動きとは別に、日本全国で進んで欲しい改善点だと考える人も多いのではないだろうか。
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