インバウンド市場の拡大と共にあらゆるプレイヤーが市場に参入しているが、日本の観光地、各施設、そして文化などを多言語で紹介するWEBメディア、いわゆる訪日紹介WEBメディアの数も増えている。各社特徴を出して運営しているが、その中でも漢字に振り仮名を付けた言語「やさしい日本語」をはじめ、独特の展開を見せているのが青木優氏が率いるMATCHAだ。今回はMATCHA誕生の背景や訪日WEBメディアを運営する上で大事にしていることなどを青木氏(以下、敬称略)に聞いた。
[編]インバウンドナビ編集部 [聞]荒井竜馬 [協]齊藤良太
ページ1/3【MATCHAの概要と現状】 ページ2/3【MATCHA誕生の背景】 ページ3/3【大事にしていることと、今後】
MATCHAは編集型の訪日WEBメディア
—— 今日は偶然にもMATCHA誕生2周年なんですね。2周年おめでとうございます!
青木:ありがとうございます!あっという間の2年間でした。みなさまのおかげです。
—— 今日はMATCHAのことや青木様のことをいろいろと聞かせていただければと思います。それではまず、MATCHAの基本を抑えておきたいので、簡単な紹介をお願いします。
青木:MATCHAは訪日外国人観光客に向けたWEBマガジンです。日本の各地域の良さや日本を旅する上でのハウツーを世界中の方々に発信しています。訪日メディアは大きく3分類に分けれると考えています。プラットフォーム型、編集型、そしてキュレーション型です。MATCHAはオリジナルの記事にこだわり、実際に取材して、全ての記事を編集者の手を加えた上で公開しています。「まとめ」が基本的なコンテンツであるキュレーション型ではありません。一方、現在はプラットフォームとしての機能は持っておりませんので、プラットフォーム型でもありません。何がいいかとかはないと思っています。
—— なるほど。現在は何ヶ国語に対応していて、何人位の方がアクセスしてくれていますか?
青木:やさしい日本語を含めて9ヶ国語に対応しており、世界中から約50万人の方がアクセスしてくれています。
—— 2年間で月間50万ユーザーへの成長、素晴らしいですね。どの国からのアクセスが多いでしょうか。
青木:台湾からのアクセスが多いです。MATCHAのコンテンツが、ディープな内容を求める台湾の方々の視点にあっているということと、台湾人編集者のMATCHAへの参画によって、より現地の方々の視点でコンテンツを作れているということが理由と考えています。
—— これまでにリリースした記事数はどれくらいでしょうか?
青木:記事のユニーク数では1,800記事位になります。言語毎にカウントすると、トータルでは8,000~9,000記事位になると思います。大体1日に2~4記事位書いている計算になります。
—— かなりの記事数になってきていますね。どういったジャンルの記事が一番読まれていますか?
青木:言語ごとに異なりますが、やはりハウツー系の記事がよく読まれていますね。例えば一例を挙げると、「羽田空港国際線旅客ターミナル内で一晩過ごす方法」という記事はよく読まれました。これは、台湾からのLCCが深夜に到着する、という背景があると思います。実際に検索してもらい、読んでもらっているんだと思います。
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