インバウンド統計で全体像をしっかり理解 (2015年1月分)

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インバウンド対策には具体的な戦略やノウハウが必要ですが、大前提として「どの国のどの層をターゲットにするのか?」というターゲット設定が極めて重要になります。各国国民の考え方、好み、生活習慣、タブーなどなど、迎え入れる側として理解しておくことがたくさんあるからです。 今回は数値として絶対的な信用をおける日本政府観光局(JNTO)が先日公表した最新の訪日外客数統計値(2015年1月分・推計値)を追いかけて、しっかりと訪日観光客数の全体像を理解しておきましょう。是非みなさんのターゲット国選定の際にご活用ください。 

1. 前年同月対比

まずは2015年1月と2014年1月の比較値を見てみましょう。訪日観光客数総数と、トップ5か国の数字をみてみます。  

  2015年1月 2014年1月 増減
訪日客総数 122万人 94万人 +29%
① 韓国 36万人 26万人 +40%
② 中国 23万人 16万人 +45%
③ 台湾 22万人 20万人 +10%
④ 香港 9万人 6万人 +38%
⑤ アメリカ 6万人 6万人 +4%

出典:日本政府観光局 (JNTO) ※人数は万単位、%は1単位に四捨五入   訪日観光客数全体では昨年同月対比で約30%増加しております。これは非常に強い数字です。何故かというと、中華圏や韓国、ベトナムでの大きな祝日である旧正月が今年は2月中旬~下旬であるのに対して、昨年は1月末から2月頭だったのです。つまり旧正月のかさ上げ分が、去年は1月と2月だったのに対し、今年は2月だけになります。故に、1月単体で比較すると昨年対比では落ち込む見方もあったのですが、しっかり増加してきました。 以下にTOP10の対昨年比グラフを表示しておきます。 graph1  

2. 国別訪日観光客数ランキング

次に、国別のランキングを見てみましょう。総数と伸び率でTOP10を見てみます。

訪問者数別TOP10
  2015年1月 前年同月比
① 韓国 35.8万人 +40.1%
② 中国 22.6万人 +45.4%
③ 台湾 21.7万人 +10.2%
④ 香港 8.8万人 +38.1%
⑤ アメリカ 6.2万人 +3.9%
⑥ オーストラリア 4.9万人 +30.1%
⑦ タイ 4.5万人 +64.9%
⑧ イギリス 1.5万人 +7.4%
⑨ フィリピン 1.4万人 +57.2%
⑩ カナダ 1.4万人 +11.3%

出典:日本政府観光局(JNTO) ※人数は千単位、%は0.1単位に四捨五入 トップ3が20万人を超えており、4位以降とは少し開きがあります。しかし、国が違えば文化も旅の仕方も違うので、安直に人数が多いところをターゲットに設定するのではなく、各自治体や事業所の強味がフィットする国や層を狙う、という視点も必要です。続いて、伸び率のランキングです。

前年同月比伸び率TOP10
  前年同月比 2015年1月
① ベトナム +83.4% 1.2万人
② タイ +64.9% 4.5万人
③ フィリピン +57.2% 1.4万人
④ 中国 +45.4% 22.6万人
⑤ 韓国 +40.1% 35.8万人
⑥ 香港 +38.1% 8.8万人
⑦ インドネシア +36.1% 9.7万人
⑧ オーストラリア +30.1% 4.9万人
⑨ イタリア +28.0% 0.4万人
⑩ スペイン +27.4% 0.3万人

出典:日本政府観光局(JNTO) ※人数は千単位、%は0.1単位に四捨五入 伸び率で見ますとやはり東南アジアの勢いが顕著です。勿論、旅客数でみると中国や韓国と差がありますが、50%以上の伸びを見せているので今後に注目です。 やはり、旅客数でも、伸び率でも、お隣韓国と中国の存在感が際立っております。

3. 国別の考察

前項で見ました各国の訪日観光客数全体数や伸び率の背景を探ってみます。この点について、日本政府観光局さんの考察が非常に簡潔によくまとまっておりますので、引用させていただきます。特に意識しておきたい国を選びました。

中国 (22.6万人/+45.4%)

日本に 寄港する中国発クルーズ船は前年同月比で減少したものの(2014年1 月は6便、2015年1月は4便)、円安傾向の継続により、ショッピングを目的とする個人旅行者の増加が好調な伸びに繋がった。オンライン旅行会社とタイアップした訪日旅行商品の販売促進支援や、主要都市の地下鉄などでの広告展開も、冬の訪日旅行の需要を喚起し た。

韓国 (35.8万人/+40.1%)

全市場を通じて史上初の単月30万人突 破となった。12月以降相次いだ LCCの新規就航、増便が好調な伸びに繋がった。また、免税制度の拡大や円安による割安感にあわせ、テレビ番組などでの露出の拡大が訪日 旅行ムードを醸成している。

台湾 (21.7万人/+10.2%)

2013年2月より24カ月連続で各月の過 去最高を記録している。2月から始まる旧正月の連休前のため、1月は旅行需要が停滞 する時期であるが、昨年秋以降の航空便の増便などにより、特に個人旅行者を中心に訪日需要が拡大した。

香港 (8.8万人/+38.1%)

冬の人気訪問地である札幌への便や、成田便の増加により、前年同月比38.1%増の87,700人と、大幅に増加した。1月の初売りや福袋といったお得なショッピング目的の訪日旅行が好調であったとともに、クリスマスと旧正月休暇の狭間のオフ期で割安に訪日できることも、需要の押し上げに繋がった。

インドネシア (9.7万人/+36.1%)

2014年10月から4カ月連続で各月の過去最高を記録している。2014年12月1日から開始されたIC旅券を対象としたビザ免除の効果、秋以降の旅行博出展や旅行会社、航空会社との継続的な訪日プロモーション、ビザ免除に合わせた情報発信などが、1月の拡大に寄与した。一方で、1月中旬から10月下旬まで、ガルーダ・インドネシア航空のジャカルタ~成田便、デンパサ ール~羽田便が運休となるほか、3月下旬から就航予定であった中部便の就航が延期になるなど、今後の動向を注視する必要がある。

オーストラリア (4.9万人/+30.1%)

例年1月はスキーによる訪日需要が最も増加する時期であり、前年同月比30.1%増の48,600人と、前月(2014年12月)に記録した37,600人を大きく上回り、単月として過去最高を記録した。北海道や長野を中心に、豪州でプロモーションを展 開しているスキーリゾートへの送客が好調である。直行便だけでなく経由便を利用す る訪日も見られるほか、需要拡大にあわせ臨時便も運航された。

タイ (4.5万人/+64.9%)

2012年4月より34カ月連続で各月の過去 最高を記録している。12月下旬からの日本航空の中部便就航や、年始発の旅行会社に よるチャーター便などが1月の訪日客数増加に寄与した。例年1月はタイからの訪日旅行のオフシーズンであり、訪日旅行の仕入れ価格が安価になることから、企業・団 体のインセンティブ旅行が増加するが、今年も北海道方面を中心に多数催行された。

出典:日本政府観光局(JNTO) ご覧頂けたように、各国特有の事情やインフラ、PRなど、あらゆる要因が絡み合って数字が出来上がっております。こういった動きを捉えられるように常にアンテナを張っておき、先手先手で動いていくことも大事になってきます。

4. まとめ

ご覧頂いた通り、訪日観光客数全体としても各地域でみても非常に好調な数字です。この裏には、国レベル、民間レベルでの色々なPR面での仕掛けが花開いていることがあり、また、円安や規制緩和などの追い風も吹き続けています。 感覚としてはこれまで以上の外国人観光が急激に増えておりますので、宿泊施設や観光施設の現場でスタッフが不足しております。又、それに伴い、意図せずにサービスの質が落ちてしまう、ということも勿論考えられます。 重要なことは、こういったハード面やソフト面でのインフラを地道に改善していき、また、1人1人の顧客に対して日本人本来のおもてなしの心(ありふれた表現で申し訳ありません・・・)を忘れずに対応することだと思います。これらがないがしろになっていまうと、「2014年頃のインバウンドは一過性のものだったな」、となってしまうと思うのです。 我々日本人にとってはあたりまえのおもてなしの心を忘れなければ、例えば為替水準が円高に振れても、世界的な不景気が襲ってきても、リピーターはきっと日本を選んでくれるはずです。インナビも微力ながら、こういったことを忘れずに邁進していきたいと思います。   以上、直近の訪日観光客数を振り返りました。みなさんのターゲット国選定の際に少しでもご活用いただければ嬉しいです。  

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