インバウンド対応事例インタビュー 東急プラザ表参道原宿

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インバウンドの受入環境について

ーー 続いてインバウンド向けの環境整備についてお聞かせください。現在はどういった環境整備がなされているでしょうか。

松井:まず、館内には多言語表記のフロアガイドを設置しています。各店舗にも外国人のお客様との接客に困らないように指さし確認シートを常備しています。これにより、従業員が外国語を話せなくても対応できる体制をとっております。

東急プラザ表参道原宿で活用する指さしシート

指さしシート

ーー 非常に見やすく、使いやすそうですね。この指さしシートで対応しきれない場合はどうしていますか?

松井:指さしシートで対応できないような内容については、通訳者のオペレーターと接続できるコールセンターサービスも採用しております。ただ、それほど使う場面は多くなく、月に数件程度だと思います。というのも、最近は各店舗様が独自に外国語を話せるスタッフの採用を進めていることもあるからです。

ーー 東急プラザ表参道原宿として外国語を話せるスタッフの採用を奨励されているのですか?

松井:もちろん強制的な側面は一切ありませんが、店舗によっては、そういったスタッフは求められやすい、という認識は共有しています。

ーー 各テナント様やテナントスタッフの方々への教育などはどうでしょうか。

松井:現在は我々東急プラザ表参道原宿が外部講師などから学んだマーケットデータを元に、どういった時期にどういった国の方々が来るか、などをお伝えしています。また、それらに合わせてPOPの有効な使い方や、フェアの打ち出し方について店舗様と共有しています。

ーー 接客対応や言語対応などはどうでしょうか?

松井:接客の研修は年4~5回やっています。お客様とのコミュニケーションの取り方からクレーム対応まで幅広くやっています。今後はインバウンドを対象としたものも取り入れていこうと思っています。言語については先ほど申しましたようにすでに話せるスタッフを採用しているケースもありますが、今後はもう少し各国の特徴を把握しながら、日本人のお客様とは異なる接客方法や外国人のお客様の目を引く商品の見せ方なども身につけていきたいと考えています。

ーー WEBでの言語対応はどうでしょうか。

松井:WEBは英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語に対応しています。当面はこの言語で展開していく予定です。

ーー ハード面ではどうでしょうか?

松井:クレジットカードで日本円を引き出すことができるATM機を設置しています。4階に1台設置しているのですが、使い勝手は非常に良いと評判です。

ーー 決済手段はどうでしょうか。

松井:銀聯カードを含めて主要なカードやICカードによる決済は、一部の店舗を除いて対応しております。海外で導入されている新しい決済方法については、今後国内の利用状況を見ながら導入を検討していく予定です。

ーー 免税店対応店舗の割合は全32店舗中どれくらいで、免税品売上高の占める割合はどれくらいでしょうか。

松井:現在は19店舗が免税対応店舗です。館全体の売上に占める免税品売上高の割合は10~15%を推移しております。

ーー 今後はこの割合についてはどのように考えておられるでしょうか。

松井:日本人のご利用者、海外からのご利用者、この辺のバランスは意識していきたいと考えていますので、外国人観光客の方だけを積極的に増やし、免税売上の比率を高めることだけを狙っていくことはしません。現在の割合ぐらいでちょうど良いのではないのでしょうか。また、このバランスを保つためには、まず日本人に人気の店舗であることが、外国人の方にとって行ってみたい店舗になると考えます。よって日本人のお客様に対しても今まで以上に意識しながら取り組んでいきたいと思います。

次ページ >> 【直近の動きと今後について】

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