インバウンド対応事例インタビュー 東急プラザ表参道原宿

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基本的な誘客の考え方

ーー それでは次に東急プラザ表参道原宿の誘客について伺わせてください。表参道、原宿というカラーが違う街の中間に位置しつつ、かつ海外からのお客様も増えていると、お客様の顔が少し見えにくいということもありますでしょうか。

松井:まさにそうです。東急プラザでいえば、蒲田店や戸塚店は近隣にお住まいの方を中心に比較的来館者様の顔が見えやすいのですが、当館は広域から様々な方に来館いただいているため、ターゲットが非常に見えにくいのが現状です。年代や職業・家族構成だけでなく国籍や性別さえも見えにくいです。

ーー そのような中、誘客の基本的な考え方としてはどのようなものがありますでしょうか?

松井:いろいろな誘客キャンペーンをやってきましたが、やはりターゲットが見えずに効果的に誘客ができなかったこともありました。そこで今までの発想を少し変え、増加する来街者をターゲットと定め、「街の散策をするときに、この施設に必ず立ち寄ってもらおう」、という考え方を持つようになりました。

ーー 街に来ている人たちに東急プラザ表参道原宿を選んでもらう、という考え方ということですね。その際に何か意識されていることはありますか?

松井:やはり商業施設は各店舗様が主役ですから、「東急プラザ表参道原宿」に来てもらうということを考えすぎるのではなく、あくまで「東急プラザ表参道原宿にある各店舗」に来てもらうという視点です。

ーー それは日本人、外国人問わずでしょうか?

松井:そうです。インバウンド誘致においても、施設全体だけではなく、各店舗様の受入環境整備など、各店舗レベルでの誘客力の底上げにも力を入れています。各店舗様が選ばれることが、結果として当館の力の底上げにつながります。

ーー 具体的にはどういった誘客施策をされていますか?

松井:駅での広告や手配りのフライヤーに、「どんな店があるのか、どんなお得なイベントをやっているのか」などの店舗情報をしっかりと載せることで、施設・店舗の認知拡大を図り、入館へのきっかけづくりを意識しています。現在はこのようなオフラインによる誘客に注力をしています。先ほど申しました通り「街に来ている人たちに館に来てもらう」という視点で見るならば、やはりオフラインでの展開は効果的だと思っています。外国人が多いシーズンには多言語のフライヤーを展開するなど、街に来られている方々の顔を見ながら判断しています。現在はこのスタンスがうまく回っていると感じています。

ーー 先日は原宿表参道欅会様主催、VISA様スポンサーにおいて「Tokyo Shopping Week2016」も開催されていました。東急プラザ表参道原宿としてもかなりキャンペーンを盛り上げる取り組みがあったように見受けられますが、この時の東急プラザ表参道原宿としての取り組みもオフライン主体だったのでしょうか。

松井:そうです。メインエントランスの階段、そしてメインエスカレーターを上がった先の壁一面にキャンペーンの告知を実施しました。これらもオフラインの取り組みですが、非常に反響もありました。

東急プラザ表参道原宿の階段

メインエントランスの階段を活用したキャンペーン告知

東急プラザ表参道原宿の壁面

壁一面のキャンペーン告知

ーー やはりエリアをあげてのキャンペーンということで、東急プラザ表参道原宿の期待も大きかったのでしょうか。

松井:まさにそうです。海外の方にとって東急プラザという施設名はなかなか知られておりません。そこで知名度のあるエリア名でのアピールが極めて重要になります。今回のキャンペーンのように街を挙げての取り組みは、まさに我々が考えるエリアPRを実現する具体的なアクションの一つであり、今後も大いに協力していきたいと考えています。

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