景気ウォッチャー調査から見る「街の声」

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内閣府が発表した2015年1月の景気ウォッチャー調査。インバウンド消費の「現場の声」も知ることができる大変貴重な指標です。

この調査は各地域において、景気と深い関連がある動きを観察できる立場にある人達からの声を判断材料としている指標です。
今回はこの「町の声」にフォーカスしてみましょう。

景気ウォッチャー調査では、例えば以下のような方々からヒアリングをとっています。

  • 商店街代表者
  • 百貨店売り場主任
  • 家電量販店経営者
  • レストランスタッフ
  • ホテルスタッフ
  • タクシー運転手
  • テーマパーク職員
  • 人材派遣社員
  • 求人広告担当者

かなり「現場」に踏み込んで調査している様子がうかがえます。

 

インナビでは、当指標が紹介している景気判断理由(=現場の声)から、インバウンド消費に関する声を一部抜粋してご紹介します。

 

  • [北海道/土産物店経営者] 外国人観光客の増加により、売上がかなり増加して いる。円安や中国人に対するビザ発給要件の緩和と いった要因もあるが、やはり外国人旅行者への消費税 免税制度における対象品目拡大の効果が大きく、当店 の免税販売額は前年から倍増している。
  • [北海道/商店街代表者] 一般客による消費は依然として増えていない。た だ、悪くもなく良くもないという状況であり、小康状 態が続いている。外国人旅行客は好調を維持してお り、日本人観光客の落ち込みをカバーしている。
  • [北海道/高級レストランスタッフ] 外国人観光客は相変わらず多いが、低価格の店舗 や郷土料理店、一部のバイキングなどを利用してお り、高級な西洋料理店にはあまり来店していない。地 方の飲食店では世界的なガイドブック掲載店でも休業 するケースが目立ってきた。
  • [北海道/金融業企画担当] 外国人観光客は増加しているが、訪問先が道央圏に とどまっているため、地方では恩恵を受けていない。
  • [南関東/一般レストラン経営者] チェーン店と差別化した純和風テイストが外国人の みならず、インターネットを通して若い世代にも受け 入れられている。
  • [南関東/百貨店営業企画担当] 都心の店舗は訪日外国人の売上伸長が著しい。しかし、 主力商材である婦人服のクリアランスが不振であるな ど、好不調商品のばらつきが大きく、全体としては勢 いを欠いている。
  • [近畿/商店街代表者] 12月ごろから外国人観光客向けの免税売上が増加 し、売上が好調である。
  • [近畿/職業安定所職員] 訪日外国人客の増加に伴い、小売業や宿泊業を中心 に新規求人数が増加傾向にある。
  • [四国/繊維工業経営者] 地域によってばらつきがある。外国人観光客が多く 訪れる地域は活況のようである。
  • [九州/衣料品専門店チーフ] インバウンドの影響が非常に大きい。外国人客の買 上額は前年に比べると5%程度増えた。
  • [沖縄/観光名所職員] 円安の効果で外国人客の来客数が良い。

 

いかがでしたでしょうか?

総じて、外国人観光客の消費が国内の横ばいや停滞をカバーしている状況が垣間見えるものの、一般的に言われている通り一部の地域(例えば、東京~大阪間のゴールデンゲート等)にしか好影響をもたらしていないという意見もあります。

官民一体となり、外国人観光客が求めるモノを理解した上で、各地域の魅力を有効な方法でPRしていくことが求められています。

全ての判断理由をみるには → こちら

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