外国人観光客特化の飲食店「銀政」は体験も提供する日本食料理店

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食事だけでなく店舗全体から日本らしさを感じてもらう

—— 店舗の特徴が雰囲気にも出ておりますが、インバウンド向けの環境とコンセプトなどはいかがでしょうか。

藤葉 : 店舗の一つのコンセプトに「日本のお祭り」があります。お祭りの露天で出ているようなグッズなどが多いのはそのためです。音楽もお祭りを意識したものになっています。

—— 確かに、お面やお祭りに置いていそうな駄菓子などがたくさん置いていますね。店舗内には舞妓さんや忍者もいますね。

藤葉 : 飲食だけではなく、空間から日本らしさを感じてもらい、それを楽しんで欲しいという想いがあります。ですので日本らしいグッズがあふれています。お土産用にお面などを買っていかれる方も少なくありません。

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お祭りを連想させるグッズが並ぶ店内

—— これらのグッズ売上は店舗の売上にどれくらい影響しているのでしょうか?

藤葉 : 数%程度で、多い日で1割程度です。これは想定していた割合よりも多い数字ではあります。

—— 今後も日本を象徴するようなグッズは豊富に扱っていかれるのでしょうか?

中川 : 何でも置くわけではありませんが、やはり飲食に関連するものについては積極的に検討していきたいです。その際に意識したいのは「本物である」ということですね。

体験によって付加価値を提供する

—— 先ほど団体のお客様がバスで来られた際、中川執行役も含めてお迎えに出られておりました。お出迎えは毎回行うのですか?

中川 : 店舗にいる人間でバスの到着場所までお迎えにあがります。私も店舗に来ていれば出て行きます。ちょっとしたことですが、これもおもてなしです。今日は舞妓さんもお迎えに出ていましたが、お客様からすると到着と同時に舞妓さんが迎えてくれるとやはりテンションがあがるのではないでしょうか。

お話をお伺いした中川執行役員

—— 実際にみなさん舞妓さんと一緒に写真を撮っていましたね。店舗までの移動でも日本らしさを感じられるということでしょうか。

中川 : まさにその通りだと思います。いつも舞妓さんがいるわけではありませんが、喜んでもらっています。また、今日は忍者もいますが、忍者からの手品サービスなども評判が良いです。これらはエンターテイメントであり、体験です。店内のオブジェである鎧なども、兜をつけて写真を撮ってもらうこともできます。

—— お店に到着すると、まずはお魚の解体ショーがありました。

藤葉 : 本日のお客様は「お寿司握り体験コース」なのですが、どうせならさばくところから見てもらおうということで、提供しています。さばき方など、同時通訳付きで実演いたします。結果として、飲食の提供、体験の提供と共に、日本食の学びなども提供できればと考えております。因みに、今日は鯛でしたが、要望次第ではマグロという日もあります。

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解体実演を観覧する外国人観光客

—— そしてさばいた鯛を含めて、お寿司握り体験をされていました。

中川 : お寿司握り体験はとても評判が良いです。

—— お寿司握り体験以外の「体験サービス」も今後は展開されるのですか?

中川 : はい、具体的に検討しております。勿論我々の最も大事にするところは食です。それはこれからも変わりませんが、外国人観光客の皆様を迎えるには付加価値としての日本らしい体験も重要だと考えています。お寿司を握る、鎧の兜をつけてみる、舞妓さんのお迎えを受ける、これらはすべて体験です。これらを全て旅の思い出として持ち帰って欲しいと思っています。

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