インバウンド対応事例インタビュー 東急プラザ表参道原宿

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2016年2月1日、表参道原宿エリアのファッションセンター3館がインバウンド誘致に向けて連携した動きを見せた。表参道ヒルズ、ラフォーレ原宿、そして東急プラザ表参道原宿が合同で多言語のエリアガイドを作成し、配布を開始したのだ。インバウンド誘致には「エリアでの集客が重要」だと言われるが、なかなか同地域で同じ業態同士が手を組むことは簡単ではない。今回は東急プラザ表参道原宿の松井康明総支配人(以下、敬称略)に、今回のエリアガイド作成を含め、インバウンド誘致への取り組み状況を詳しく聞いた。

1/4ページ【館の概要とお客様の層】
2/4ページ【基本的な誘客の考え方】
3/4ページ【インバウンドの受入環境】
4/4ページ【直近の動きと今後について】

館の概要とお客様の層

ーー 本日はよろしくお願い致します。まずは東急プラザ表参道原宿の概要を教えてください。

松井:当館は2012年の4月にオープンしました。現在は丁度一部店舗がリニューアル中なのですが、次の4月には新しくオープンする店舗を含めて32店舗になります。いわゆる大型路面店が3店舗、専門店が27店舗、そしてポップアップ、催事店舗が2店舗となります。約6割程度がアパレルで、アパレル以外ではカフェ等の飲食店や雑貨ストア等にご入店いただいております。

松井総支配人

お話をお伺いした松井総支配人

ーー 来館者の属性で一番多いのはどういった層のお客様になりますでしょうか。

松井:開業当初はどちらかというとファッション感度の高いヤング層の女性をメインに考えておりましたが、実際には10代後半から50代の方まで幅広くご利用いただいております。また、ご夫婦やカップルでの来館も非常に多いです。その中で一番多いのは、やはり20~30代の女性になります。

ーー 来館人数は年間でどれくらいでしょうか。また、全体に占める訪日外国人客の割合はどれくらいでしょうか。

松井:施設全体の来館人数は年間520万人程度です。買い物をされない方も含めての数字となります。訪日外国人の割合については正確なものではありませんが全体の3割程度かと思います。勿論季節にもよりますが、例えば直近ですと今年の元旦はかなり割合が高かった印象です。5割強は訪日外国人の方だったのではないでしょうか。

ーー 訪日外国人の来館者の属性についてはいかがでしょうか?

松井:アジア圏の方が7割程度で、欧米圏の方が3割程度だと思います。目的で言えば、爆買いに来られている層というよりも、ファッションを楽しみながら街を散策する目的での方々が多いと考えております。

ーー 団体、FITの割合はどのような印象でしょうか。表参道・原宿という街におけるインバウンド市場はやはり団体よりもFITでしょうか。

松井:そうですね。地理的な問題もあり、この街には大型バスは止めにくいということも一つの要因かもしれませんが、街に来ていただいている訪日外国人の方はFIT層が多いと思います。

ーー 街の中での観光ルートはどのようなパターンがあるとお考えですか?

松井:原宿駅で降りて明治神宮を参拝し、表参道までメインストリートをあがってくるのが一番多いパターンではないでしょうか。当館のカフェなどは、表参道・原宿を歩き回り、少し休憩といった感じで使われている印象も強いです。また最近は、表参道・原宿の最新ファッションを求めるだけではなく、このエリアにしかないスイーツや限定イベントを目的とした来街も多く見られます。それを目当てに来ていただく方は日本人・外国人問わず増えていると思います。

次ページ >> 【基本的な誘客の考え方】

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