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震災前と現在の市場比較
震災前の2010年と2014年の比較をすることで、この4年間の東北インバウンド市場の成長率をみてみます。
2010年(東日本大震災前)と2014年の外国人観光客延べ宿泊者数を比較してみると、東北地方に限りこの恩恵にあやかれていないことが明確にわかります。日本全体では72%も外国人延べ宿泊者数が伸びているのですが、東北6県のデータを見ると、なんと6県中5県がマイナス成長となっており、東北全体でみると約20%も減少しております。マイナス成長は東北地方だけです。正確なデータはまだ出ていませんが、昨年2015年はようやく2010年水準に回復するであろうと言われており、東北のインバウンド統計はやっと5年前の水準に戻ったというところです。
対人口比率でみる東北インバウンド市場
もう一つ、角度を変えて数値を見てみましょう。人口比率と述べ宿泊者数の比率です。もちろん単純計算すればよいという訳ではありませんが、経済効果として人口が多ければそれなりの経済インフラはあり、当然交流人口もある程度は比例すると考えられます。
人口比率 | 延べ宿泊数比率 | 比較 | |
北海道 | 4.3% | 8.7% | 4.4% |
東北 | 7.2% | 0.9% | -6.3% |
関東 | 33.7% | 41.7% | 8.0% |
中部 | 17.1% | 9.7% | -7.3% |
近畿 | 17.9% | 24.2% | 6.3% |
中国 | 5.9% | 1.5% | -4.4% |
四国 | 3.1% | 0.6% | -2.5% |
九州 | 9.6% | 7.2% | -2.4% |
沖縄 | 1.1% | 5.3% | 4.2% |
日本の全人口に占める東北地方の人口割合は約7.2%ですが、全国の外国人延べ宿泊数に占める東北の割合は全国の0.9%にとどまっております。その差は-6.3%です。他地域との比較においても、中部地方に次いで低い数値となっております。
以上のように、東北地方ではインバウンド市場の拡大が全国と比して大きく出遅れている現状が確認できます。ではなぜ東北地方は出遅れているのでしょうか。私見では、インフラ整備の遅れと、東北人の控えめな地域性によるブランディングの欠如が大きな原因であると考えます。
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